高配当株で「一番怖いのは減配」
前のSTEP3で、高配当株の言葉はある程度わかりましたね。じゃあ次は実践です。
「高配当株がいいのは分かった。でもどれを選べばいいの?」
ここで多くの初心者がやってしまう失敗があります。それは、「配当利回りの数字だけを見て選ぶ」こと。「利回り6%! がっつり得られそう」と飛びつくパターンです。
でもちょっと待ってください。高配当株投資で一番怖いのは、株価が下がることではありません。「減配(げんぱい)」── 配当そのものが減らされることです。

このSTEPでは、その目印 ──「減らしにくい会社」を見抜く方法を、初心者向けにかみ砕いてお伝えします。これが分かると、銘柄選びがぐっとラクになって安全になります。
なぜ、利回りの高さだけで選んではダメなのか
配当利回りは「年間配当 ÷ 株価」で計算します。ここにちょっとした罠があります。
利回りが上がるパターンは、実は2つあるんです。
- 良いパターン:配当が増える(増配)→ 利回りアップ 😊
- 悪いパターン:株価が下がった → 利回りだけ見かけ上アップ 😞
問題は後者です。業績が悪化して株価がズルズル下がると、利回りの数字だけは高く見えてしまいます。これを「お得だ」と勘違いして買うと、その後さらに業績が悪化して、最悪の場合は無配(配当ゼロ)まで転落することがあります。
つまり大事なのは、利回りの高さよりも、「その配当がしっかりと、安定して払い続けてくれるか」。これを見抜くのが、銘柄選びの本質です。
減らしにくい会社を見抜く「2つの目印」
では、どうやって「払い続けてくれる会社」を見分けるのか。初心者がまず覚えるべき目印は、たった2つです。
目印①:累進配当宣言 →「減らしません」と約束した会社
累進配当宣言とは、会社が公式に「配当を減らしません(維持または増配します)」と宣言していることです。
これは株主にとって、すごく心強い約束です。業績が多少悪くなっても、配当だけは守ります、と会社が態度で示してくれているわけですね。
法律で罰則があるわけではありませんが、いったん宣言した会社が約束を破れば、株主の信頼を一気に失います。だから事実上、強い拘束力を持って守られているのが実情です。
三菱商事や三井住友、キャノンルグループなど、誰もが知る大企業がこの方針を掲げています(※2026年時点)。
目印②:DOE → 配当の「下limit」が見えた会社
もう一つが、DOE(自己資本配当率)です。少し聞き慣れない言葉ですが、考え方はシンプル。
普通の会社は、「利益の何%を配当に回す」という決め方をします。これだと、利益が減った年は、配当も一緒に減ってしまいます。
一方DOEは、利益ではなく会社の体力(自己資本)を基準に配当を決める方法です。会社の体力は、1年そこそこで急に減ったりしません。だから、利益が一時的に落ち込んでも、配当が極端に減らされにくいんです。
この2つを両方持つ会社 →「二重の防御層」
ここがポイントです。会社の中には、累進配当とDOEの両方を採用しているところがあります。
これはいわば、減配に対する”二重の防御層”。「減らさない」と約束されていて、なおかつ「減らしにくい仕組み」で配当を決めている。初心者が長く安心して持つには、こういう会社を選ぶのが一番です。



「減らさない」だけじゃない。”増やしてくれる”会社はもっと強い
ここまでは、守りの話。さらに一歩進むと、配当を毎年”増やし続けている”会社は、もっと魅力的です。これを連続増配といいます。
毎年コツコツ配当を増やしている会社は、それだけ業績が安定していて、株主を大切にする姿勢が強いということ。たとえば次のような会社は、長い増配が続いている実績があります(※2026年時点の連続増配指数)。
- 三菱HCキャピタル
25期連続増配
- KDDI
22期連続増配
- 芙蓉総合リース
19期連続増配
「減らさない(累進配当・DOE)」に加えて、「増やし続けている(連続増配)」会社を選ぶ、これがかつを式・銘柄選びの一番おすすめところです。
実際、この選び方で結果は出るのか?
「理屈は分かったけど、本当にうまくいくの?」と思いますよね。参考までに、この基準で運用している実際の数字を載せておきます(※2026年4月時点・あくまで一例で、将来を保証するものではありません)。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 買付総額 | 約357万円 |
| 評価損益 | +約71万円(+20.0%) |
| 累計配当金 | 約25.5万円 |
| 自分利回り(買値ベース) | 4.4% |
注目してほしいのは、一番下の自分利回り4.4%という数字です。これは購入時の株価を基準にした利回りで、増配が続けば今後さらに上がっていく見込みです。月ベースにすると、働かなくても月1万円ちょっとの配当(不労所得)が生まれている計算になります。
金額はまだ大きくありません。でも、「生活の一部を配当でまかなう」感覚を確かに体験できるレベルです。これが普通の積み立てれば、誰でも再現できるのがこの手法の良いところです。
まとめ:高配当株は「減らさない会社」から選ぼう
このSTEPの要点です。
- 利回りの高さだけで選ばない(見かけだけ高い”罠”がある)
- 累進配当
「減らさない」と約束した会社を選ぶ
- DOE
「減らしにくい仕組み」の会社を選ぶ
- 両方持つ会社は”二重の防御層”でさらに安心
- さらに連続増配で”増やしてくれる”会社なら、自分利回りが育つ
「どの会社を選べばいいか分からない」という初心者の最大の悩みは、この目印さえ知っていれば、ぐっとシンプルになります。難しい分析は要りません。”減らさない・増やしてくれる”会社を選ぶ。 ただただそれだけです。
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