三菱UFJ・三井住友・みずほ。メガバンク3行は、3行とも「配当は減らさず、増やしていく」という方針(累進配当)を掲げています。ただ、増やし方が違います。
この記事は、2026年9月27日の日曜ライブで取り上げた内容を文字にまとめたものです。ライブの投票では「配当の決め方を会社の資料で確認したことがない/覚えていない」という方が57%でした。そこで今回は、3行の有価証券報告書の【配当政策】と配当の推移を横に並べて、読み方を整理します。
先に結論
三菱UFJと三井住友は「利益の4割」に合わせて配当を増やす型。三井住友はさらに「毎期の増配」を原則として書いています。
みずほは「毎期5円」と、増やす額を先に決めている型。利益の伸びは自社株買いで返します。
利益に合わせる型は好業績の年に配当が大きく伸びやすい。額を決める型は翌年の配当が読みやすい。どちらが良い悪いではありません。
3行の現在地(2026年9月25日終値)
| 三菱UFJ (8306) |
三井住友 (8316) |
みずほ (8411) |
|
|---|---|---|---|
| 株価 | 3,714円 | 6,919円 | 8,626円 |
| 今期の予想配当 | 96円 | 180円 | 150円 |
| 予想配当利回り | 2.58% | 2.60% | 1.74% |
| 1年の株価 | +62% | +69% | +77% |
予想配当は各社の2027年3月期予想(三菱UFJは純利益の「目標」をもとにした予想)。三井住友は2026年9月30日基準の株式分割(1株→2株)の前の株数で計算しています。
利回りが1〜2%台なのは、株価が上がったので利回りが下がっているためです。1株あたりの配当そのものは、3行とも今期も増える予想になっています。
三菱UFJ(8306)── 利益に合わせて増やす型
第1四半期の純利益
8,094億円
前年同期比 +48.2%
今期の純利益目標
2兆7,000億円
前期 2兆4,272億円
1株配当(今期予想)
96円
前期86円 → +10円

16/3期の18円から、26/3期は86円。ここ3年(41円→64円→86円)の伸びが大きいのは、利益が大きく伸びた年に、配当も「利益の4割」に合わせて一緒に伸びたからです。
三菱UFJは今期の業績予想の代わりに純利益の「目標」を開示している会社です。今期の予想配当96円は、その目標をもとにした数字です。
三井住友(8316)──「毎期増配」まで書いてある
第1四半期の純利益
5,013億円
前年同期比 +33.0%
今期の純利益予想
1兆7,000億円
前期比 +7.4%
1株配当(今期予想)
180円
前期157円 → +23円(分割前)

分割で株価の表示が約半分になります。値下がりではありません。三井住友は2026年9月30日を基準日に1株→2株の株式分割を行います。9月29日から株価の表示がおよそ半分になりますが、持っている株数が2倍になるので、資産の額は変わりません。分割後は期末の予想配当が45円(分割前の株数なら90円)と表示されます。
みずほ(8411)── 額を決めて増やす型
第1四半期の純利益
4,229億円
前年同期比 +45.5%
今期の純利益予想
1兆4,000億円
7/30に1兆3,000億円から上方修正
1株配当(今期予想)
150円
前期145円 → +5円

みずほは以前、配当性向40%を目安にしていましたが、2025年6月の有価証券報告書で「毎期5円を目安に増配」へ変わりました。グラフでも、25/3期の140円から145円、150円(予想)と、5円刻みの伸びに変わっているのが分かります。
3行を横に並べると
| 三菱UFJ | 三井住友 | みずほ | |
|---|---|---|---|
| 配当の決め方 | 利益の40%程度 | 利益の40% +毎期増配が原則 |
毎期5円を目安 |
| 配当性向(26/3期) | 40.3% | 38.0% | 28.8% |
| 今期の増配幅 | 86→96円 (+10円) |
157→180円 (+23円・分割前) |
145→150円 (+5円) |
| 予想配当利回り | 2.58% | 2.60% | 1.74% |
配当性向は2026年3月期の実績。利回りは2026年9月25日終値と今期の予想配当から計算しています。
利益に合わせる型(三菱UFJ・三井住友)の読み方
- 好業績の年は、配当も大きく伸びやすい
- 見るところは純利益の予想(目標)。利益の見通しが変わると、配当の見通しも一緒に動く
- 「累進」なので、利益が下がった年も配当は据え置き以上が前提。そのぶん配当性向が上がる
額を決める型(みずほ)の読み方
- 来期の配当が先に読める(今期150円なら、目安どおりなら来期155円)
- 利益が大きく伸びても、配当の伸びは5円。残りは自社株買いで返す
- 配当性向が低いぶん、利益が下がった年の余力は大きい
来週のチェックポイント(2026年9月29日〜10月2日)
- 9月29日(火)配当落ちの日… 日経平均は配当落ちの分だけ見かけ上下がります。下げ幅をそのまま相場の弱さとして読まないようにしておきます
- 9月29日(火)三井住友の株価表示が約半分に… 上で書いたとおり、分割によるもので値下がりではありません
- 10月1日(木)〜2日(金)金利の材料が集中… 日銀短観・日銀の主な意見 → 東京都区部CPI → 米雇用統計の順に出ます
このあと相場がどう動くかの予想ではなく、日付が決まっている予定だけを並べています。
ライブの視聴者アンケートから
ライブで「持ち株に銀行株はありますか?」と聞いたところ、「ある」が83%(42票)でした。持っている方が多いからこそ、株価だけでなく会社が配当を何で決めているかを一度確かめておくと、決算のたびに数字の見え方が変わります。
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この記事は特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。投資の判断はご自身でお願いします。
予想配当利回り=会社が公表している今期の年間配当予想 ÷ 2026年9月25日の終値。三菱UFJは純利益の「目標」をもとにした配当予想です。三井住友は2026年9月30日基準の株式分割(1株→2株)の前の株数で計算しています。配当の推移は過去の実績で、将来の配当を約束するものではありません。
出典:各社の決算短信(TDnet)・有価証券報告書(EDINET)、株価はJPX 東京証券取引所。
